ここで、助動詞がもう一つ仲間入りします。
will(~でしょう、~するつもりです)の未来表現です。ここでcanのときに覚えた、ひとつ思い出す言葉がある。
●助動詞の後は原形
これは絶対です!
問題:次の文を tomorrow を用いて未来の文にかえよ
「I went to the station with him two days ago.」
→ I will go to the station with him tomorrow.
私は 行くつもり 駅に 彼と 明日
以上のように、基本は、willを入れて動詞を原形に変えるだけで終了(原理は can と全く同じです。どちらも助動詞なので)。
もちろん疑問文・否定文にも触れるが、説明はいらないはず。
「助動詞を使った疑問・否定文だよ、どうなる?」。疑問文・否定文は中1の1学期でもはや終了している。
助動詞なので、使い方は can と全く同じ。willも意味をもつ助動詞である。
【will – be going toの書き換え】
そして、ここでまた厄介なパズルが登場する。「be going to」だ。 未来表現は、 will と be going to のどちらを用いても表すことができる(中学ではこの2つは全く同じものと解釈)。
ゆえに、ここで一番狙われるのは、書き換え問題。
例1:次の文を be going to を用いて書きかえよ。
「I will go to the station with him tomorrow.」
「wil」 の部分にそっくり「be going to」を入れればよい。
I の場合は am なので…
→I am going to go to the station with him tomorrow.
と、これでよい。すごく簡単なのでほとんどの生徒はクリアできる。
しかし、疑問文・否定文に なると事態は一変する。
例2:次の文をbe going toを用いて書きかえよ。
「Will you go to the station with him tomorrow?」
→Are you going to go to the station with him tomorrow?
以上のように、「going to」の部分は前に出てこない。前に出すのは are だけだ。
be going toはbe動詞を使うので「be動詞の疑問文」と同じになる。
このパズルがなかなか苦戦する。さらにこの場合、生徒からの他の質問は「go を2つ使っちゃっていいの?」である。be going to はあくまで will の代用。go は別物。「もちろんそのまま必ず使ってくれ」。
もう一つドキッとする質問もくる。
「goingはいいとして…are と go…動詞が2個あるんですど…おすぎじゃないの?」。
ここでは最高な質問である。
まずこの質問を出せたことに対して評価する。常に動詞を考えている証拠です。しかし、こんな最高な質問にも、残念なことにこの段階ではしっかりとした説明はできないのです。なぜなら「不定詞」まで話が伸びてしまい、収集つかなくなるからです。
「よくぞ気付いた。実は動詞の前にtoがつくと動詞ではなくなるという裏ルールがある。しかし、ここでは詳しく説明できない、ごめん!あくまでも be going to は will の代用だ、と思ってください」と答える(かなりごまかすが仕方がない)。
「be going to」とは、本来「進行形+不定詞」であるが、このように日本の中学英語は「be going to」は単に「will」の代用、と教え込むことが多いため、しっかり動詞を考えている生徒の大きな壁になる。
しかし、実情は「代用」と考えてまず問題ない。一時的にごまかすことが生徒の利益となる場合もある(もちろんごまかすのは『一時的』です)。不定詞を習ったときに初めて目からウロコが落ちればよいのだ。
今さらバカにされそうですが、改めてまとめておきます。
●be going toの文 →be動詞の疑問文・否定文に同じ。
●willの文 →助動詞(一般動詞)の疑問文・否定文に同じ。
※「will not」の短縮形は「won’t」。でもこれ、意外と読めない人が後々多くなるのでここでしっかり確認しましょう。「ウォウント」です。
理屈でわかっていても、なかなかパーフェクトとはいかない。 ここも慣らすためにかなりの反復練習が必要。
さらに、進行形を習ったばかりなので「~ing」を見ると進行形と混乱する生徒も少なくない(実は詳しくさかのぼるとこれも進行形だ!しかし伏せておく)。 絶対的な違いは、be going to の場合は will の代わりなので、その直後に動詞(原形)があるところ。進行形にはない。
しかし、混乱が出そうな場合はひとまず「going を使う場合は will の代用だから進行形じゃないよ」と教えてしまっても構わないかもしれない(進行形でgoingを使うことはこの時点ではごく稀なため)。
未来表現の「be going to」は、その直後に動詞を一発バシッと決めてください。
※このページを書いた当初、「未来形」という言葉を用いていましたが、「未来形」という言葉はない、というご指摘を受けました。ありがとうございました。
理由は「過去形」のように形を変えるのではなく、willという「現在形の助動詞」を用いて表現するからです。従って、このページ内の「未来形」という言葉を全て「未来表現」に変更してあります。