その22【不定詞編3】(中2:10~11月頃)




【その3:形容詞的用法】
注:2002年度教科書改訂により、この用法だけ中3に移った県があります。しかし上位生には一気に教えてしまいましょう。

またまた難しい言葉が出てきました。この「形容詞」の意味もまずしっかり教える必要があります。「形容詞」とは、名詞を説明する言葉です(「修飾」という 言葉も難しいので「説明」で代用)。例えば、「本」という言葉を説明する場合、「キレイな本」「安い本」「ボロボロの本」などいろいろ説明できます。この説明(キレイな・安い・ボロボロの)を「形容詞」と呼びます(英語に形容動詞はありません)。 では、これが不定詞となると、

●~すべき(~ための)

訳はズバリこれです。「すべき」がつくと、動詞だったものが形容詞っぽく生まれ変わるのです。『作るべき・走るべき・見るべき・書くべき…』すべて動詞ではなく形容詞に変わりました。つまり、名詞を説明するものに変わったということで す。「作るべき材料」「走るためのグランド」などなど。

例1:京都にはたくさんの見るべき(見るための)場所がありま す。
→Kyoto has many places to see.
京都は 持っている たくさんの 場所 みるべき

(これは「~に~がある」の表現なので、お約束のThere is(are)でも表せます)

→There are many places to see in Kyoto.
そこには たくさんの ばしょ みるべき 京都には

もちろん2つとも同じ意味です。

しかし!形容詞的用法は何がややこしいかというと、実際日本語では「すべき(ための)」という言葉は使わないことがほとんどなのです。

「京都には見る場所がたくさんあります。」

こちらのほうが日本語としてスマートです。つまり英語にするには『見る場所』を 瞬時に『見るための場所』と変える訓練が必要です。そこが形容詞的用法の難しいところです。 それでは、もう少しやってみましょう。

例2:わたしは今日何もすることがありません(するためのことがない)。
→I have nothing to do today.
私は 持っている 何もないことを するための 今日

例3:彼は一緒に遊ぶ友達がたくさんいます(遊ぶための友達)
→He has many friends to play with.
彼は 持っている たくさんの 友達 遊ぶための 一緒に

【語順に注意せよ!】

例えば例1の「京都には見る場所がたくさんある」を英作文するとします。

× Kyoto has to see many places. ←これはなぜ間違いなのでしょう?

一見「見るための たくさんの場所」の順番で正解のような気がしますか?

英語を後ろから訳すくせのある生徒は、常に語順に苦しみます。英作文の基本は、主語動詞を決め、その動詞に対して聞きたいことから並べます。つまり、この例では「持っている」が動詞です。当然次には「何を」を書 かなければなりません。そうすると必然的に「たくさんの場所」が先にこなければならないのです。

○ Kyoto has many places to see.

結果、「見るための(to see)」は後ろからひっかかる形になります。このように、日本語とは語順が違うために、英語には「後ろひっかけ」が他にも数多く存在します。

【注意表現!】

ここで、一つ注意すべき表現があります。

『何か食べたい(飲みたい)』という場合です。 これはホントによく出ます。名詞的用法のところで「~したい」という場合は、「~することを欲する」とやりましたが、「何か食べたい(飲みたい)」という時に限って、テストには形容詞的用法が好まれています。つまり『食べるための(飲むための)何 かが欲しい』と解釈します。 例えば…

「わたしは何か食べたい」→(私は食べるための何かを欲する)
→I want something to eat.
私は 欲する 何かを 食べるための(形容詞的用法)

もちろん名詞的用法を使って「何かを食べることを欲する」とも書けます。

→I want to eat something.
私は 欲する 食べること 何かを(名詞的用法)

しかし、「食べたい・飲みたい」のときだけはなるべく形容詞的用法に慣れましょう。

以上のように、形容詞的用法は日本語に隠れて見えない部分をしっ かり「すべき(ために)」と拾う必要があり不定詞の中でも一番ややこしいです。ゆえに中3に移るなどの措置をしたのでしょう。しかし、こう いう場合はパターンでつかむのです。実は形容詞的用法は、半分以上は例に出したパターンで出題されます。以下にまとめると…

1:何か食べたい(飲みたい)。
2:○には△する所(場所)がある。(There is(are)でも書ける)
3:○は△する時間(またはお金など)がない。

この3パターンを把握しておけば、形容詞的用法のほとんどが解けます。念のため似たような例をあげておきます。

1:私は何も飲みたくない(のむためのもの)。
→I want nothing to drink.
私は 欲する 何もないことを 飲むための

2:この学校には読む本がたくさんある(読むべき本)。
→This school has many books to read.
この学校は 持っている たくさんの 本 読むための
→There are many books to read in this school.
(そこにはある) たくさんの 本 読むための  この学校には

3:私は今日遊ぶ時間がない(遊ぶための時間)。
→I have no time to play.
私は 持っている 時間がないことを 遊ぶための

※「時間がない」は普通に否定文を使って、I don’t have any time~ という表現方法もあります。→not~anyで全く無いの表現。

→I don’t have any time to play.
私は 全く持っていない 時間を 遊ぶための

※『any』がついても『time』は複数形となりませんので注意してください(time は「時間」で使う場合は s がつきません)。

【豆知識】

「コールドドリンク、ホットドリンク」の落とし穴

I want something to drink. (私は 欲する 何か 飲むための)

上の文に「cold (冷たい)」を入れるならどこに入りますか?。

この問題を出すと、drink の前に入れる人が多いので注意しましょう。「コールドドリンク」にはなりません!

「to drink」は不定詞です(動詞を動詞でなくすために直前に to がついている)。どんなことがあっても to drink は動きません!

答えは…

I want something cold to drink.(私は 欲する 何か 冷たい  飲むための)

訳→ 私は冷たいものが飲みたい。

このように「something cold(何か 冷たい)」の語順になりますので、このパターンを覚えておくと他にも応用が利きます。

・something hot(何か 暖かい)
・something nice(何か 良い)

当然、anything, nothingの時も同様です。

(C) 2005-2020まなぶろぐ中学英語
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