注意:ここを読む前に、 必ず「その37【これぞ関係代名詞!編】」をお読みください。
【主格の関係代名詞「who, which, that」】
「主格」って、また難しい言葉が出てきましたが、要は、ひっかけ方にもいくつかの種類があると思ってください。「なぜ 主格と呼ばれるのか」は後で説明します。
例1:次のA・B、2つの文を関係代名詞を用いて1つにせよ。
A:The girl is my sister.
B:She is standing by the door.
と、いきなり聞かれてもわからないので、両方とも日本語で考えてみます。
A:その少女は 私の 妹(姉)
B:彼女は 立っている ドアのそばに
まず、この日本語2つを1つの日本語にしてみましょう。
→ドアのそばに立っている少女は私の妹です。
いかがですか?最初はややこしいですが、慣れるまでの隠れた基本としては「The ○○」を説明してあげてください。つまり、「The girl(その少女)」の説明文がBの文章「ドアのそばに立っている」になっています。では、いつものとおり、説明部分に( )を付けてみます。
→(ドアのそばに立っている)少女は私の妹です。
これを英語にする準備をすると(後ろひっかけの英語の語順に変えると)
→少女(ドアのそばに立っている)は私の妹です。
→The girl who is standing by the door is my sister.
少女(後ろひっかけ)立っている ドアのそばに は 私の妹です
さぁ、今作った文と、A・Bの英文とをじっくり見比べるのだ!何がどうなって1つになっているのかじっくり自分で予想してみてください。どうも、A の文章の間にBの文章が挟まってませんか?それもSheが消えてwhoが現れて…。Bの文は、 The girlの説明にあたるので、The girlの真後ろに引っかけます。
今度は、ポイントを整理しながら、今と同じ問題をもう一度やってみます。
A:The girl is my sister.
B:She is standing by the door.
【作業1】
「the○○」を怪しめ!(先 行詞を決めろ!)
「the○○」は説明される言葉になる場合が圧倒的に多いです。ひとまずこれは怪しいと思ってください。その「The○○」だけをAからすっぽ抜きます。
→The girl……
【作業2】
「the○○」に当たる単語を次の文から探せ!
「the girl」に当たる単語は、次の文では「She(彼女)」ですね?見つかったら、それを関係代名詞に変えて、The girlの後にひっかけます。
→The girl who is standing by the door……
【作業3】
残った文を後に続けろ!
→The girl who is standing by the door is my sister.
これで出来上がりです。
【用語説明】
●説明される語(ここではthe girl)を「先行詞」といいます。
また難しい言葉が出てきましたが、「先行して、後から説明がついてくる」という、関係代名詞でひっかけられる単語をこう呼びます。
【who, which, thatの使い分け】
●先行詞が人の場 合は「whoまたはthat」
●先行詞が人以外の場合は「whichまたはthat」
このように使い分けます。さっきやった例文はthe girl(人)が先行詞でしたので「who」を置きました。もちろん「that」でも正解です。
ん!? 「that」はどっちにも使える!?ということは「常にthatを使っていれば正解!?」
…はい、その通りです。“自分で書く時 は”それで良いかもしれませんが、who, whichをしっかり覚えておかないと、使われたときにパニックになったり、穴埋め問題で選択肢に「that」がなかったりすると困ることになりますよ。
【なぜ主格と言われるか】
またさっきの例文で説明します。 関係代名詞に変わった単語(she)は何でしたか?その通り、「Bの文の主語」で したね?主語が関係代名詞に変わったので、その関係代名詞は「元々主語だった」=「主格」と呼ばれます。特徴としては、元々主語だったので、「主格の関係代名詞」の後には必ず「動詞」が置かれています。確 認してみてください。 今度は作文の練習です。
例2:あなたはアメリカ出身の学生です。
作業1【長い説明部分を( )】
→あなたは(アメリカ出身の)学生です。
作業2【英語の語順に変える】
→あなたは学生です(後ろひっかけ アメリカ出身の)
→You are a student who is from America.
例3:店のそばに立っている女性は私の母です。
作業1【長い説明部分を( )】
→(店のそばに立っている)女性は私の母です。
作業2【英語の語順に変える】
→女性(店のそばに立っている)は私の母です。
→The woman who is standing by the store is my mother.
となります。上の2つのパターンを見比べてください。説明部分が後ろに付くものと、中に入る(主語に付く)ものがあります。この“主語につくもの”をマナブ用語で「パターン2」と呼んでいます。
実はこの「パターン2」は正解率が低いのです。
どうしてもお尻に付けたいのか、なかなか主語に入れ込めない生徒が多いです。でも日本文をよく見比べると全然違い ますね?例3は、「主語が長く、いきなり“後ろひっかけ”が必要になる」のです。この主語が長い時の「パターン2」をしっかり攻略してください。
・「ここから見えるあの家は……」
・「ベンチに腰掛けている少女は……」
など、主語が長くていきなり主語が拾えませんね?これが「パターン2」です。 さらに、パターン2は日本語訳にも注意してください。
→The woman who is standing by the store is my mother.
その女性は……×
はい!この時点でアウトです。「は」を勝手につけてはいけま せん。「は」は主語の最後に付きます。つまり動詞の直前につけなければなりません。
→The woman who is standing by the store [は] is my mother.
「は」の位置はここです。
→その女性(後ろひっかけ)立っている 店のそばに “は” 私の母」
こう訳してください(関係代名詞直後の動詞(is standing)は説明文ですので、この文の「動詞」にはなりません)。
【主格の関係代名詞の省略】
主格の関係代名詞は、「ある条件」を満たすと省略できます。
説明文が「be + 分詞」のとき、
『関係代名詞とbe動詞を同時に省略できる』。
「be + 分詞」とは何でしょう?2つ頭に浮かびますか?進行形(be+~ing)と受動態(be+過去分詞)です。この2つが説明文に入った場合、「be 動詞と同時に」カットすることができます。
もう一度言いますので気をつけてください、常に「be動詞と同時」です。
例3:The girl who is standing by the door is my sister.
その少女(後ろひっかけ)立っている ドアのそばに は 私の妹
→The girl standing by the door is my sister. (who is を省略)
さぁ、省略されました。「who is」が消えていますね?意味は同じです。ただし、間 違ってもbe動詞を残したりしないでください。残してしまうと、「The girl is」の形になり、「その少女は」で主語が確定してしまいます。
例4:This is the picture which was taken by my father.
これは 写真 後ろひっかけ 撮られた 父によって
→This is the picture taken by my father. (which was を省略)
省略されていると、訳すときに「後ろひっかけ」のタイミングが見あたらなくなりそうですが、心配いりません。まず例3だと「The girl standing」の形は、進行形にしてはbe動詞が入っていないので、明らかに「ミスプリント?」と思いたくもなります。これが後ろひっかけのタイミング です。例4に関しても同様です。
【豆知識】
「先行詞はどっち?」
A:She is a girl.
B:She is good at playing the piano.
このA・Bの文を関係代名詞で1つの文にする場合、Aの文の「a girl」が先行詞となりますが、同じAの文の「She」はなぜ先行詞にならないの?という疑問も浮かびます。Aの文では、「a girl」も「She」も同一人物を指し、どちらを先行詞にしてもよい感じがしませんか?
結論から先に言うと、「She」は先行詞になりません。検証してみましょう。まずは、正解の「a girl」を先行詞にした場合です。
→She is a girl who is good at playing the piano. ○
彼女は 女の子(後 ろひっかけ)得意 弾くこと ピアノを
(彼女はピアノを弾くのが得意な女の子です)
次は「She」を先行詞にしてみます。
→She who is good at playing the piano is a girl. ×
彼女(後ろひっ かけ)得意 弾くこと ピアノを は 女の子
(ピアノを弾くことが得意な彼女は女の子です)
いかがでしょう?( )内のキレイな日本語訳を比較してみてください。文法的には間違っていませんが、意味が少し変わってきませんか?「She」を先行詞にした場合、文の重心(一体何が言いたいのか)がうまく伝わっていないのがわかりますか?
もちろん「女の子なんだ!」を一番伝えたいのであれば正解は変 わってきますが、一般的にAとBの文を見た場合、明らかに相手に伝えたいのは「ピアノが上手」ということであり、その「女の子」を説明してあげなければなりません。
こんなことを言われると、問題を解くにあたって、
いちいちそこまで考えなければいけないのか!?
という不安も出るかもしれませんが、安心してください。中学 英語では「He」や「She」などの代名詞は、まず先行詞にはなりません。「the ○○」または「a ○○」を先行詞とすれば、まず問題ありません。