これから先、どんな単元を習おうと付きまとうのが「疑問文・否定文に変えよ」という問題です。英語は、一般動詞かbe動詞のどちらかしか使わないものなので、下の4パターンを叩き込めば全てに応用できます。
●be動詞の疑問文→be動詞を前に出す。
(You are a student. → Are you a student?)
●be動詞の否定文→be動詞の後ろにnot。
(You are a student. → You are not a student.)
●一般動詞の疑問文→“do”を前に出す。
(You speak Chinese. → Do you speak Chinese?)
●一般動詞の否定文→“don’t”(do not)を一般動詞の前に。
(You speak Chinese. → You don’t speak Chinese.)
※一般動詞は「do」が助けます!!!!
※「do」は助動詞(動詞を助けるもの)です。これから先、いろんな助動詞を習いますが、それらが文に入ってきたら、それらで直接助けてあげてください。
以上の4点をしっかりまとめて頭に入れておけば、これから先の疑問文・否定文は全くやる必要はありません。
do に s が付こうが(does)、他の助動詞が出てきても、全くこの原理。
逆に、大事なのは「疑問文の答え方」です。
ここは一見簡単そうだが、ここにこそ力を入れます。
Are you a high school student? → Yes, I am. または No, I’m not.
Do you speak Chinese? → Yes, I do.または No, I don’t.
ここはごまかしがちですが、なぜお尻に「I am / I’m not / I do / I don’t」が付くのかをしっかり教える必要があります。これを怠ると入試にまで影響します。
よく、「be動詞で聞かれたらbe動詞をつけて答える。do で聞かれたら doで答える」だけでごまかす場合がありますが(苦手な生徒は仕方がないが、上位生にこの説明だけではかわいそう)、これだと中3になってからも以下の受け答えができないままなのである。
Who broke the window?→(私ですと答えたい場合)→ I did.
だれが こわした 窓を
上位生であっても、理屈を知ってなければこれがなぜdidなのかわからないままなのだ。
do(did)を使っていない疑問文なのに、受け答えにはdo(did)が使われている。これができなくなる。なので、この段階で、以下までしっかり叩き込む。 本来はこうなのである…
Are you a high school student?
→Yes, I am a high school student.
→No, I’m not a high school student.
Do you speak Chinese?
→Yes, I speak Chinese.
→No, I don’t speak Chinese.
いわゆる、Yes / Noの後にもう一度質問文を繰り返している。同じ事を何度も言うのはくどいので、バッサリ省略したものが「I am / I’m not / I do / I don’t」になる(英語は動詞が命なので、動詞までは省略しない)。一般動詞の場合は「speak」を2度言うのがくどいので、doで助けてあげて「Yes, I do」になります。
ゆえに、先程の「I did」は、本当は「I broke(私がこわした)」と言いたい所、一般動詞がくどいので「do(did)」が助けたのです。
●doは一般動詞を助けるもの。
●doは日本語にはできない。
「doはあくまでも一般動詞を助けるもの」ということを浸透させることが重要。
こんな誤答→「Are you play tennis?」などという動詞の共存したものは絶対に許せないのである。
※一般動詞そのものにも「do(~する)」というものがあるので注意してください。
(I do my homework. (私は する 宿題を)このdoは「する」という一般動詞)
常に発音にも気をつける。 「not」は「ノット」じゃなくてしっかり「ナット」で発音。
【豆知識】
「好きです!」
別に大きく書く意味もないのですが、この言葉についてちょっと触れておきましょう。最初に言っておきますと英語には「好きです」という単語はありません。
あれ?「like」は「好きです」ではないのですか?という質問も出そうですが、実際は 「好き」ではなく、「好む」です(日本語の動詞は全て「ウ」の発音で終わりますよね?)。
「好きだ」や「好きだよー」や「好きなんだ」や「好きッス」等、これら全ては日本語独特の表現であり、全部「好む」という動詞「like」に当てはまります。
実は「私はあなたが好きです」という日本語は、英語にできないのです。
英語にしたいなら、「私はあなたを好む」と頭の中でさりげなく変換してください。ここで初めて「like」が出てきます。
残念ながら、be動詞=「~です」と認識してしまっている生徒は、「好きです」の表現にも「です」があるのでbe動詞を使いたがります。結果、「is like」という、自分の一番嫌う「おすぎ」ミスを平気で犯してしまいます。
他にも「欲しい」「~したい」という英語もありません。全て「欲する」という動詞「want」です。
これらを別々で覚えるから「want」と「want to」の違いがわからなくなるのです(不定詞1と動名詞の項参照)。
「want to」なんていう熟語は存在しません。「want」は「欲する」で覚えれば何も困ることはないのです。
中1のこの段階で、英語で一番大切な「動詞」の理解をしっかりと身に付ける必要があります。