その34【受動態1編】(中3:5月~6月頃)




別名「受け身」とも言われます。

その名の通り、「~される」と表現したいときに使います。せっかくなのでもう一つ言葉を覚えましょう。「受動態」に対しての反対語は「能動態」といいます。“自分の脳が動いてすること”ですね。ここで初めて受動態を習うということは、今までやってきたものは全て能動態だったということになります。

●be動詞+過去分詞

動詞部分がこの形になると、無条件で「~される」という意味になります。 「分詞」は動詞ではないのでbe動詞が入ってきます。進行形に似ていますね。過去分詞は現在完了の時に覚えたはずですが、大丈夫ですか? (過去分詞の意味については「これぞ現在完了!」の項を参照)

例1:The picture was taken by my father last year.
その写真は 撮られた 父によって 去年
(その写真は去年父に撮られたものです)
(その写真は去年父が撮ったものです)

【ポイント1】

( )の日本語訳が2つ書いてありますが、日本語の意味は同じなのでどちらでもOKです。ただし、受動態表現なので「~される」の日本語をきっちり使わないと正解にしてくれない先生もいるので確認が必要です(生徒がなぜか不正解をもらってきた経験アリ)。 日本語の意味は どちらでも同じですし、逆に後者の訳の方が日本語としてスマートなはず!

【ポイント2】

「~によって」の表現は「by~」になります。 よく、落書きなんかをして、下の方に「by ひろみ」とか書きますよね?まさにこのbyです。これを英語でちゃんと書くなら…

This 落書き was drawn by ひろみ. 
(この落書きはひろみによって描かれました)

なんて感じでしょうか。受動態にはこの「by」がよく付きます。「~によって」と表現したい場合は必ず付けましょう。

【ポイント3】

「する」なのか「される」なのかをはっきり区別!

これは英作文のときに重要になります。ポイント1のように、日本語訳はどちらでも構いませんが、英語の動詞はしっかり決めなければなりません。

例えば「その写真」が主語にきた場合、動詞は「受動態」になります。「写真」というのは「撮る」ものではなく「撮られるもの」だからです。このように、特に「もの」が主語になった場合は、日本語に惑わされないように注意しましょう。その主語が「する」のか「される」のかをしっかり区別します。 では実際にどうなるか英作文してみましょう。

例2:あれらのお菓子は母が作りました。

【作業1】最初は当然、主語・動詞を決めます。

「あれらのお菓子」が主語になるのはすぐわかると思いますが、問題は動詞です。この場合、「作りました」はそのまま英語には なりません。なぜなら、「お菓子」は「作られるもの」だからです。従って、主語と動詞はこうなります。

Those cakes were made…
あれらのお菓子は 作られた…

【作業2】「母によって」をくっつけます。

Those cakes were made by my mother.

と、このようになります。もちろん「作りました(能動態)」を生かす方法もあります。この場合は、当然以下のように主語を「母」にしなければなりません。

My mother made those cakes.
母は 作った あれらのお菓子を

これも後者のほうが、本来日本語としてスマートですね。
(以上2つの文は、書き換え問題としても出題されます)

【疑問文・否定文】

be動詞の疑問文・否定文です。以上。

【受動態←→能動態の書き換え】

受動態で点を稼ぐには、この書き換えをしっかりこなしましょう。

例3:I read this book yesterday.(能動態)
私は 読んだ この本 昨日

→This book was read by me yesterday.(受動態)
この本は 読まれた わたしに 昨日

この基本となる書き換えをじっと見つめましょう。どこがどのように移動して書き換えられていますか?

【作業1】

動詞部分を受動態「~される」に変える。 能動態の「read」は「yesterday」が付いているので過去形であることがわかります。 (readは形が変わらない単語なので判断しづらい)したがって、be動詞は忘れずに過去形にしましょう。しっかり「was read」が出せましたか?これでこの文の心臓部、「読まれた」ができあがりました。

【作業2】

何が「される」のか…その「何が」にあたるものが主語になる。 動詞部分が「される」の形なので「何が」されるのか。もちろんそれが主語になります。「読まれる」ものは「本」なので「This book」が前に出ます。 これで頭と心臓(主語+動詞)が決まりましたね?

【作業3】

「~によって」をbyを用いてくっつける。 最後に「わたしに」の「by me」を付け加えて終了です。yesterdayを置くのも忘れずに。

例4:I use the pencil every day.(能動態)
私は 使う その鉛筆 毎日

→The pencil is used by me every day.(受動態)
その鉛筆 使われる 私に 毎日

こちらの書き換えはいかがでしょう。ポイント通り、順番にやればできるはずです。どうですか?「used」とありますが、「使われた」と過去で訳さないように!現在完了でもやりましたが、これは過去分詞であり、時制を表すのはbe動詞部分です。では次は、少しややこしいものもチャレンジしてみましょう。

例5:Did he buy this book at the store?(能動態)
彼は 買いましたか この本 その店で

Was this book bought by him at the store?(受動態)
この本は 買われましたか 彼に その店で

例6:He didn’t buy this book at the store.(能動態)
彼は 買っていない この本 その店で

→This book wasn’t bought by him at the store.(受動態)
この本は 買われていない 彼に その店で

以上のように、疑問文や否定文になると、パズル要素が増えるのでドンと正解率が落ちます。さっきとどこが違うのかしっかり確認しましょう。

一見ややこしそうに見えますが、両方とも疑問文・否定文になっているだけです。もう一度、疑問文・否定文の動きを確認しましょう。

能動態の文は一般動詞なので「do」が助けています。受動態の文はbe動詞の文なので、be動詞がその仕事を全部やってくれています。たったこれだけです。

慣れないうちは、一旦普通の文(肯定文)に直して考えると、さっきと全く同じ動きになっているのが確認できるでしょう。

【by以外の前置詞】

その動作主である人を表す場合に「by~」が用いられるが、以下の用法によってその他の前置詞が使われます。最低限以下は上から順に重要暗記事項です。

1:be made of 材料 (~で作られる)
2:be made from 原料 (~で作られる)
3:be interested in ~ (~に興味がある)
4:be covered with ~ (~で覆われている)
5:be surprised at ~ (~に驚く)
6:be known to ~(~に知られている)
7:be known for ~(~で知られている)

1と2は必ず出題されます。「材料」と「原料」の違いは、一般的に目で見て分かるものが材料。つまり、「机は木で作られている」などは、机を見れば木なのはわかります。その逆が「原料」。「ワインはぶどうで作られる」などは、ワインを見てもぶどうとはわかりません。このように使い分けてください。覚え方としては、「見て分からない原料には、いちいち“~から”という単語のfromをつける」と暗記しましょう。

3は、必ず「interesting(面白い)」と区別してください。「interest」は「興味づける」という動詞で、それの受身で「興味付けられる=興味がある」という訳になります。「~の中に(in)興味がある」というイメージで暗記しましょう。

4は、「cover(覆う)」の受身で「覆われる」。「~と一緒の(with)状態」というイメー ジで暗記しましょう。「富士山は雪で覆われている=雪と一緒の富士山」のようなニュアンスです。

5は、「suprise(驚かす)」の受身で「驚かされる=驚く」。「~に」驚くわけで、「~」の部分は指が指せるものですね?指が指せるような、ある1点を指す前置詞は 「at」です。「look at~」と同じですね。

6と7は、比較的そのまんまです。「若者に知られる」なんて場合は、そのまま「~に」の「to」を使い、「~のために知られる」の場合 は「for」を用いてください。「東京はサッカーで知られる」なんて言いたい場合は、「Tokyo is known for soccer.」のように、「サッカーのために有名」の「for」を用いてください。

「be known for 〜」は「be famous for ~」(~で有名)と同意です。

【豆知識】

「前置詞のひっかけ問題」

例1:I was surprised( )the news.
例2:I was surprised( )hear the news.

例1は「at」で構いませんが、例2の場合、「to」が入ります。直後に「hear(聞く)」がきていますので、「ニュースを聞いて… 驚いた」の形にしなければなりません。よく見れば、“原形の裸動詞”の前には不定詞の 「to」が入るのは定石なんですが、ひっかからないように必ず前後を確認しましょう。

余談ですが、「news」を「ニュース」と読まないように。「ニューズ」ですよ!

(C) 2005-2020まなぶろぐ中学英語
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