【ask “人” to~の文】
この辺で、不定詞を使った慣用表現をいくつか習います。 以下の3つの文はパターンで覚えてしまいましょう。(いずれも「~こと」の名詞的用法ですが、特に考える必要はありません)
●ask “人” to~(“人”に~することを頼む)
●tell “人” to~(“人”に~することを言う)
●want “人” to~(“人”に~することを欲する)
例1:I asked him to do my homework.
私は 頼んだ 彼に すること 私の宿題
(私は彼に私の宿題をするように頼みました)
例2:She told me to open the window.
彼女は 言った 私に 開けることを 窓を
(彼女は私に窓を開けるように言った)
例3:I want you to play the piano.
私は 欲する あなた 弾くこと ピアノを
(私はあなたにピアノを弾いてもらいたい)
【ポイント】
「“人”に~するように頼む・言う」ときた場合は、すぐにこのパターンを出せるよう訓練が必要です。たまに出題される、 「“人”に~してもらいた い」ときた場合も同様です。
【上位生用】
askとtellの文に関しては、私立高校では以下の書き換えが出題されます。上の例1と例2の文を書き換えてみます。しっかり見比べてみてください。
例1:I asked him to do my homework.
= I said to him, “please do my homework”.
私は 言った 彼に “してください わたしの 宿題”
(私は彼に「私の宿題をやってください」と言った)
例2:She told me to open the window.
= She said to me, “open the window”.
彼女は 言った 私に “窓をあけて”
(彼女は私に「窓をあけて」と言った)
さて、この2つはどうちがうのでしょう?
例1は「ask(頼む)」の文でしたので、お願いするニュアンスが含まれます。従っ て、 “Please”がついています。例2は 「tell」の文でしのたで若干強い命令のニュアンスになります。従って “Please”はつけません。要はこれを知ってるか知らないかだけです。
【疑問詞+不定詞の文】
●how to~(どのように~すべきか) =~の仕方
●what to~(何を~すべきか)
●when to~(いつ~すべきか)
●where to~(どこ~すべきか)
●which (*) to~(どっち(*)を~すべきか)
●まず、「how to~」。これは「~の仕方」のことを指します。これで覚えてもいいのですが、全て同じ原理なのを表すために、あえて「どのように~すべきか」と書きまし た。
●「which」だけ(*)があって一見ややこしいですね。これはここに名詞が入ってくる場合があるということです。「どっち」だけのときもありますが、 「どっち(の鉛筆)」など、名詞はこの位置に入れることを表します。
●「~すべき」ということはすべて形容詞的用法で訳されていますが、これに関しても用法を深く考える必要はありません。 このパターンできたら、瞬時にこの訳を出しましょう。
例1:私は英語の勉強の仕方を知らない。
→I don’t know how to study English.
私は 知らない ど のように 勉強するべきか 英語を
例2:私はその時何を話していいかわかりませんでした。
→I didn’t know what to say then.
私は 知らなかった 何を 話すべきか その時
例3:彼はアメリカにいつ出発するか知らない。
→He doesn’t know when to leave for America.
彼は 知らない いつ 去るべきか アメリカに
例4:彼女はどこに行ったらよいか知っていた。
→She knew where to go.
彼女は 知っていた どこに 行くべきか
例5:あなたたちはどちらの本を買ったらよいか知ってますか。
→Do you know which book to buy?
あなたは(あなたたちは) 知ってますか どっちの本 買うべきか
【It~(for…)to~の文】
これは他に呼び名がないため、そのまま「イット、(フォー)、トゥーの文」などと言います。「フォー」の部分は、入ったり入らなかったりします。
【toは(forにとって)it以下です】と覚えればいいのかもわかりませんが、ちょっとややこしくなるので、解説を加えてみます。 日本語に変える場合、どの部分を主語にしたら日本語っぽくなるかを合わせて確認して下さい。
例1:It is easy for me to speak English.
(それは) 簡単 私にとって 話すこと 英語を
前から訳すとこうなりました。きれいな日本語にすると…「英語を話すことは私にとって簡単です」こんな感じでしょうか(「it」は無視した方が日本語っぽくなります)。本来この日本語を逆に英語に変えると…主語の部分は「英語 を話すことは」なので…
=To speak English is easy for me.(Speaking(動名詞)でもOK)
話すこと 英語を は 簡単 私に とって
こうなるはずです。ではなぜわざわざ「It」を置いてまでこんなまどろっこしい言い方をするのでしょう。英語は、動詞が2番目に来るため、先に“オチ”を言ってしまう、つまらない言語なんです。その点日本語は、動詞を最後に置くので“オチ”が最後 にあって面白い文を作ることができます。
この文は「ちょっと“オチ”を最後にしたいなぁ」という時に、とりあえず「It」で主語をごまかしておいて、興味をひかせる言い回しなのです。しかし、上に書いた2つの英文は全く同じ意味なので、そのまま書き換え問題にもなります。もう少し例をあげてみましょう。
例2:これらのカバンを運ぶことは彼にとって不可能です。
→It is impossible for him to carry these bags.
(それは) 不可能 彼にとって 運ぶこと これらのカバン
=To carry these bags is impossible for him.(Carrying(動名詞)でもOK)
運ぶこと これらのカバン は 不可能 彼にとって
例3:あなたにとってその映画を観ることは面白 い。
→It is interesting for you to see the movie.
(それは) 面白い あなたにとって 観ること その映画を
=To see the movie is interesting for you.(Seeing(動名詞)でもOK)
観ること 映画を は 面白い あなたにとって
さらに、「~にとって」がなければ、「for…」の部分は なくなります。
例4:英語を勉強することは大切です。
→It is important to study English.
(それは) 大切 勉強すること 英語を
=To study English is important.(Studying(動名詞)でもOK)
勉強すること 英語を は 大切
文が短くなる分、こちらのほうが飲み込みやすいかもしれません。
【上位生用】
●It~(of…)to~の文
it以下に、人の性格や気質を表現する場合は、forではなくofが使われます。
例:It is kind of you to close the door.
それは 親切 ~の あなた 閉めること ドアを
(あなたは親切にもドアを閉めてくれた)
“kind”という単語は性格を表すので“for”でなく“of”を用います。
「of」は基本的に「~の」と後ろからひっかける単語なので、「kind of you」で「あなたの親切」という解釈になります。前から訳した日本語と、キレイな訳の日本語を見比べるとわかりますが、「It~of…to~」の英語は、もはや日本語とはまったく表現方法が違いますね。
【豆知識】
「leaveに注意!」
「leave(去る・離れる)」という単語は、「for」がつくと「~のために去る」という表現に変わります。もっと日本語っぽくする なら「~に向けて出発する」という逆の意味のニュアンスになるので整理が必要です。
→leave ○(○を去る)
→leave for △(△のために去る→△に向けて出発する)
→leave ○for △(△のために○を去る→△に向けて○を出発する)
→leave Tokyo(東京を去る)
→leave for Tokyo(東京のために去る→東京に向けて出発する)
→leave here for Tokyo(東京のためにここを去る→東京に向けてここを去る)
「for」があるかないかで意味が大きく変わりますので注意しましょう。
「take 人 to~ 連れて行く?」
確かにその通りです。しかし、いつものように、覚えることを多くしてはいけません
「take」は全て「取る」のイメージで定着させておいたほうが混乱も 少なく、速読に強いです。「連れていく」というのは日本語表現の後付けで、例えば以下のような例文。
I took him to the hospital.
私は 取った 彼を 病院に
以上の日本語訳でも十分「連れて行く」は連想できますよね?英語はこのように言っています。キレイな日本語にするなら「彼を病院に連れて行った」となるのでしょうが、全文を見てから「連れて行く」と判断するには遅すぎます。日本語に頼らずに、普段から「take」=「取る」のイメージで定着させておくことを オススメします。
Take me…Take me…連れてって…連れてって…こんな呪文を唱えてイメージで焼き付けておきましょう。