【その2:副詞的用法】
またまたまた難しい言葉が出てきました。まず「副詞」の意味をしっかり説明できる中2生は少ないです。この言葉を使う以上、この状態で英語に入ってはいけ ません。先に日本語の説明をしっかりしてあげましょう。
「副詞」とは、動詞や形容詞などを説明する言葉です(「修飾」という言葉も難しいので、あえて「説明」で代用)。英語ではひとまず「動詞を説明する」場合が中心となってきます。
例えば、「走る」という動詞を説明する場合、「早く走る」「のろのろ走る」「カッコよく走る」などいろいろ説明できます。この説明(早く・のろのろ・カッコよく)を「副詞」と呼びます。 では、これが不定詞となると、
●~ために
訳はズバリこれです。「ために」がつくと、動詞だったものが副詞っぽく生まれ変わるのです。
「作るために・走るために・見るために・書くために…」すべて動詞ではなく副詞に変わりました。
つまり、動詞を説明するものに変わったということで す。「作るために起きました」「走るために(注射を)打ちました」などなど。
※英語の問題で『この用法は何用法でしょう』という問題は出ません (先生によっては定期テストで出すかもしれませんが、非常にナンセンス。こんなのできなくてよいです。受験や模擬試験では絶対に出ません。しかし、『同じ用法はどれか』という問題は出ます。でもこれは訳せれば取れます)。従って、何用法だろうと結局意味が取れればよいので、『副詞』という言葉に面食らって 尻込みしないよう気をつけてください。『副詞』 という言葉を知らなくても十分理解できます。英語を話す人だってさ、副詞を知らない人なんていっぱいいるよ。
日本語の例は以下のようなものです。
「わたしは夕食を作るために台所に行きました。」
英語に直すとこうなります。
→I went to the kitchen to make dinner.
私は 行った 台所に 作るために 夕食を
ちなみに、「わたしは夕食を作りに台所に行った。」これも同じです。ちょっと意地悪な先生は、わざと『ために』という日本語 をを入れてこない問題を作ったりします。それでは、他の例をあげてみましょう。
例1:ヒトミはその本を読むために図書館に行きました。
→Hitomi went to the library to read the book.
ヒトミは 行った 図書館に 読むために その本を
例2:私は宿題をするためにノートを買いました。
→I bought a notebook to do my homework.
私は 買った ノートを するために (自分の)宿題
【隠れた訳の副詞的用法】
●~して
副詞はたまに、動詞ではなく、形容詞を説明する時があります。ですから「~して」の表現も、用法的には副詞的用法に入ります。
「私はプレゼントをもらってうれしかった。」
→I was happy to get a present.
私は うれしかった 得て プレゼントを
会話でよく使う以下の表現なんかもこれにあたります。
→I’m glad to see you.
私は 嬉しい 会って あなたに
副詞的用法には2つの用法(~ために、~して)があります。なぜなら、副詞とは「動詞と形容詞を説明する言葉」だからです。
でも、何度も言うように『副詞』がよくわからなくても前から拾えば訳せますから安心してください。
【注意表現!】
ここで、一つ注意すべき表現があります。『~しに』という場合です。
(日本語の「~しに」は「~ために」と同じです)
例えば…
「私はあなたに会いにここに来た。」
この「会いに」の表現、「会うために」と同じです。 日本語ではいろんな言い方があるので、生徒は混乱します。 英語に直してもさっきと全く同じになります。
→I came here to see you.
私は 来た ここに 会うために ここに
前回の豆知識に記載しましたが、もちろん副詞的用法も前から訳すと自然に「~ために」「~して」にあてはまります。例えば…
I study English hard every day to go abroad someday.
『私は 勉強する 英語を 熱心に 毎日…』 と、ここで不定詞「to go」にぶち当たります。毎日熱心に勉強していて、その後に「行く」ときています。「行くこと」のわけはありませんね?当然「行くために」が 自然です。『何用法』なんて全く関係ないのです(これだけやれば自然と覚えちゃいますけどね)。
さぁ、これで不定詞の2つを乗り越えました。 次回は最後の3つ目です。